|
IV号戦車G型
|
||||||||||||||||||
|
1930年代の後半までに、ドイツ陸軍のI号戦車とII号戦車は旧式となりつつあった。それらの後継として、標準III号戦車とIV号重戦車が設計されていた。III号戦車は敵陣深くの突破を目的としたもので、軽装甲の車両と歩兵に攻撃できるように砲塔銃と機関銃を装備していた。IV号戦車は敵の厚い防衛を抑え込み、トーチカや対戦車砲に対抗できるように設計され、強力な高性能爆薬弾を発射する75ミリの短銃で武装していた。しかし、このような任務の分類は、取り返しのつかない失敗に繋がることが分かった。実戦では、全ての戦車はいく通りもの状況に対応できなければならないのだ。III号戦車の火力を大幅に増加しようとしたが、砲塔のサイズが小さかったため、意味のある成果には繋がらなかった。しかし設計者は銃の長さを伸ばすことで、IV号戦車の対戦車効果を上げることに成功した。IV号戦車はII号戦車よりほんの少しコストがかかっただけで、第2次世界大戦中のドイツ軍戦車の標準となり、後の分類で、中戦車に加えられた。 IV号戦車は操縦が良好だった。また複数あったハッチのおかげで、全ての部品に簡単に手が届いた。さらに改良するのも簡単で、装甲と兵器は繰り返しアップグレードされた。その結果、この等級で世界最高の戦車の1つとなった。これに対抗できるのはロシアのT-34とM4シャーマンの一部の改良型だけだった。有名なドイツの軍事理論家で戦車指揮官だったグーデリアンは新しいパンター戦車の製造を開始する代わりに、IV号戦車にさらに改良を加えるべきだとまで主張した。この戦車は信頼性と有効性が非常に高かったため、ドイツ軍は第2次世界大戦で終始利用し続けた。 |